旅をさせられているので可愛い子

半分以上フィクションのエッセイです。

元気がない(エッセイ)

元気がない。ここ十年ほどは鬱屈した考えが脳を支配するメランコリックな状態が基本である。

 

 

こんな私も「エネルギッシュですね」などと言われることがあるが、そんなことはない。私は演技が上手いだけだ。

 

 

私は元気に働く。同僚の中でも若くエネルギーに満ちているように見える。ただそれは無理をしているだけである。仕事がひと段落したら、自分のデスクで死を想う。

 

 

元気に働くのは、きっと仕事が好きだから。そして生きていくことが好きだから。死ぬことを考えずに済むから。死にたいほどに苦しいが、死はその気持ちを救済してはくれない。

 

 

私は演技が上手い。あと笑顔を作るのが上手い。それでいいのである。それが生きるということである。